南出憲宏

入塾のきっかけ

もっといい合氣をつくろう!合氣の好きな人がいい合氣をつくる。

大東流中興の祖と言われる武田惣角翁並びにその中でも不思議な「合気」の技を体現する永世名人と謳われた堀川幸道翁の存在を紙面等で知っていた。力を使わず、攻撃してくる相手をいとも簡単に崩し、投げて、更に固めて動くことができないようにしてしまう「合気」というものにとても魅力を感じ、長い間自分の中にくすぶるものがあった。

転勤をきっかけに大東流の本場である北海道に縁あって来ることになった。その時に知ったのが「合気護身術大東流無傳塾の飯田宏雄先生」の存在であった。無傳塾のホームページやBAB出版のDVD「触れ即合気」も拝見し、そこで大変驚いたのは、女性や子供(子供と言っても小学生以下と思われる子供)が手をすっと開いたかと思うと、大のおとなが自身の重心をとられ、みるみるうちに体がのけぞり、崩れていっているではないか。とても衝撃的な光景であった。わざとやっているようにはとても見えず、巷によく見られるタイミングや筋力的な力感のある動きとは明らかに異なるものがそこにはあった。ここには「本物の合気」に触れることができるのではないかと無傳塾の門を叩いた。気さくな飯田先生から温かく受け入れていただき、入塾を決めた。

飯田先生のもとで稽古を重ねるうちに、一般的な筋力による力とは違い、人間が本来持っている自然で純粋な心・体から発現される力(相手とぶつからない力)を知ることになる。人間の「本当の理解」とは、単に頭の中ではなく、自分の肌、体で感じたものこそ、本当の意味での経験となり、更なる理解を深めることができるのだということをつくづく思い知らされた。昨今、インターネットなどの媒体において、様々に展開される合気に対する考えや意見に触れる機会があるが、結局のところ、自身が体験もせず、感じてもいない者同士で論じ合うことが無味乾燥のように思えてならない。

まだ拙い自分ではあるが、無傳塾で稽古をすればするほど、少しずつではあるが、心と体の深まりとともに合気とは何かをおぼろげながら感じることができるようになってきた。何よりも飯田先生の薫陶を受けることができること。そして、いっしょに稽古する仲間達のおかげである。

堀川幸道翁の背中をただ純粋に、ひたすら追いかけ、柔術でもなく、合気柔術でもなく、純粋な「本物の合気」を求め続けて、今もなお、謙虚に修行を続けられ、その合気を具現化できる人が目の前にいる。それが飯田先生である。「本物の合気」を習得するための稽古法と環境がこの無傳塾には用意されている。そして無傳塾には不世出といわれた合気がオープンにされていて、合気という世界に誇るべき日本の無形文化を知る機会が眼前に広がっている。
一緒に稽古しましょう!!

2014年9月12日
合気護身術大東流無傳塾
初段 南出憲宏