片野美和子

合気は生き方

片野美和子

大学時代アメリカに留学していて、日本人として何一ついわゆる日本の伝統的なものについて知らない自分に愕然とし、それ以来、茶道、華道、書道、武道に興味関心がありました。しかし、20年近くなんの縁もないまま時は過ぎ、6年前、自宅の近くで仕事の終わった夜に合気を習える可能性があると知り、夫と娘と共に見学したところ家族で魅せられ、家族で始めました。力で投げているのではないということに、何とも言えない魅力と不可思議さを感じたのです。


力を使うのではなく、力を抜くことを学びます。力を抜くといっても、腑抜けということではありません。「気」は目に見えないものなので、言葉での説明には限界があります。体得していくものなのでしょう。うまく力が抜けて技が決まると、技をかける時も、かけられて投げられても、何とも言えない心地よさを感じます。

ストレス社会に生きる私たちにとって、何もかも忘れて力を抜くことに熱中するのは、最高のストレス対策です。また、カイロプラクターの私としては、稽古することで腹筋は鍛えられるし、姿勢はよくなり、身体のバランスが取れてくるので、良いエクササイズとも言えます。飯田先生や高段者の方々を目標に励んでいますが、合気を通して、まさに心身ともに健康にバランスのとれた人生にしていきたいと思っています。

片野美和子さんの写真

右が片野美和子さん

稽古は、輪番で型稽古が中心なので、競争ではなく、己の向上を目指します。飯田先生は、「開かれた」合気を目指し、女性や子どもにも積極的に推奨しています。「力」技ではないので、私たち女性にも非常に魅力的です。凛として芯の通った女性武道家になりたいものです。

合気を知れば知るほど、奥が深く、身体の許す限り、合気を追求し、技の向上をめざしていくつもりです。外国にも仲間がいますし、「合気は国境を越え」ます。

合気は身体、精神、心に通じるものがあり、生き方が現れるし、また生き方にも現れると思います。私にとって合気は、自分自身を成長させるための大切なもので、健康がゆるす限り細く長く一生続けていきたいことの一つです。